日本が誇る伝統文化の一つ「京表具」は、贈り物としても喜ばれています。
ひとことに「京表具」といっても、屏風、掛軸、額、画帖、巻物など、さまざまな物があります。

こちらでは、それぞれのシーンに合わせた「掛軸」の選び方について紹介いたします。

結婚

結婚祝いには、「鴛鴦」「夫婦昇鯉」「松竹梅高砂」の掛軸をおすすめします。
「鴛鴦」は、夫婦が末永く、仲睦まじく暮らせるように願ったもので、結婚や結納、結婚記念日の贈り物に選ぶ事ができます。
「夫婦昇鯉」は、共に力を合わせる理想の夫婦像を表し、家内円満の象徴として古くから崇められてきた縁起ものです。
夫婦の和合と長寿を表している「松竹梅高砂」も、結納に最適といえます。

出産

出産祝いには、「竹に雀」「四季花」がおすすめです。
竹はたくましい生命力を表し、雀は災難を食べ、五穀豊穣の意味を示しています。
「四季花」は、春夏秋冬の花々が描かれている優雅な作品で、生命の息吹を感じさせてくれます。人付き合いが円満に進むようにという願いが込められている事もあり、出産祝いにはピッタリです。
また、龍や虎、兎などの十二支から、生まれた子供の干支を描いたものを選ぶのも良いでしょう。

開業

開業祝いには、「赤富士」「七福神」「恵比寿大黒」をおすすめします。
赤富士は、朝日を浴びて赤く染まった「赤富士」は奇跡といわれており、猛々しい姿には強い開運力があると言い伝えられています。
日本で古くから信仰されている七柱の神の「七福神」や「恵比寿大黒」は、商売繁盛の福を呼び込んでくれるでしょう。

長寿

長寿祝いには、「高砂」と「松竹梅鶴亀」をおすすめします。
能で有名な謡曲としても知られている「高砂」は、翁(おきな)と媼(おうな)が末永く仲睦まじい夫婦の理想像を描いています。
純白の千年鶴と万年亀が描かれた「松竹梅鶴亀」は、長寿繁栄の願いが込められた伝統の作品です。還暦や古希、喜寿などのお祝いに選んでみてはいかがでしょうか。