額装(和額)の御仕立

当店では墨蹟・書・日本画・仏画等の本紙(作品)を掛軸への御仕立てだけではなく、和額装(欄間額・扁額・色紙額・短冊額・その他)の御仕立てもおこなっております。

当店の額装の御仕立ては既製の額ではなく、完全オーダーメイドでの御仕立てで、額装の大きさやマット(本紙の周りの裂地や金箔等)、縁の色・形等、お客様のご希望をお聞きしながら本紙(作品)に合った仕立てを提案させていただき、京表具らしい落ち着いた中にも華やかさのある額装へと御仕立てさせていただきます。

和額の縁

額装とは

額装(がくそう)とは、絵画や書画を額に納める技術の事です。
中世〜ルネサンス期のヨーロッパでは、教会の壁画を、豪華な縁取りで装飾していました。キャンパスの普及に伴って、額縁はインテリアとして飾られるようになります。やがて芸術家たちは、自らの作品を引き立てるために、額縁を用いるようになりました。色を塗り、金箔や線で装飾を施し、様々な額装のスタイルが生まれたのです。

現在では、額装は絵画だけでなく、写真やオブジェ、刺繍など、様々な室内のインテリアを彩るものとして楽しまれています。

和額装の組み立て風景

和額装と洋額装

日本での額装の始まりは、江戸時代の「紙額(かみがく)」だといわれています。明治時代には、日本独自の額装様式が確立されていましたが、額装という言葉が日本で定着したのは、戦後60年代以降の事です。この時、西洋の「洋額」と区別して「和額」と呼ばれるようになりました。

そして、西洋的画法の作品の鑑賞と保存に用いる技術を「洋額装」、日本独自の表装技術による額装を「和額装」と呼び分けてきたのです。しかし、次第に洋額の影響を受けた和額装が登場しはじめます。日本画を裏打ち、枠張りとして洋額装を施すなど、和と洋の境界線が曖昧になっていったのです。

現在では、日本画や書など、日本独自の伝統的な画法・筆法による本紙を額装したものが、和額と呼ばれています。

短冊の和額

額装の役割とは

額装は、作品の魅力を最大限に引き出してくれます。作品に適した色柄選び、西陣や友禅の織物を使用した掛軸は日本が誇る素晴らしい伝統技術ですが、また、額に作品を入れる事によっても大切な作品を保護し、長期間保存する事が可能になります。
作品の印象や雰囲気も、額装の御仕立て方法や、額装に使用する金銀箔・緞子等の裂地の種類、縁の太さや形、色等の違いで全く異なるものに感じられます。浮世絵や水墨画等の日本画や和歌等の歌等をご覧になる際は、ぜひ額装にも注目していただきたいと思います。

各取り扱い品目について

掛軸・巻物 額装 屏風 衝立・襖・その他