防虫香について

掛軸を桐箱に仕舞う時に、掛軸と共に桐箱の中に「防虫香」と呼ばれる虫避けの御香を入れる事がございます。

この防虫香ですが、もしどうしても御使用になりたい場合は必ず掛軸専用の防虫香を使用して下さい!それも、出来れば安物ではなく、高級品を御使用される事をお勧めいたします。

その理由は、掛軸を虫から守る為の防虫香が逆に、防虫香に含まれる成分のせいで掛軸に悪影響を与える事があるからです。

稀に、タンス用の防虫剤を使用されているのを見かける事が御座いますが、これは絶対にやめて下さい!タンス用の防虫剤は化学成分の塊です!

このタンス用の防虫剤に使用されている科学成分が気化し、桐箱内に充満します。一見、とても防虫効果がある様に思えますね!確かに防虫効果はあるのかもしれません。
しかし、この気化した化学成分が掛軸にたくさんのシミ汚れを発生させる事があるのです。

安価な防虫香も同じく、稀に化学成分を配合した物があるので使用しない方がいいのです。
高級品の防虫香は100%自然由来原料で作られているのでこういった事はまず起こらないと思われます。
ただし、絶対に起こらないという保障はしかねますが。。。

本来、掛軸を仕舞う桐箱は、桐という材質自体が防虫・防湿効果を持っています。
昔の古いタンスがほとんど桐で作られている事や、現在でもしっかりとした桐タンスが高価な事を考えれば納得されると思います。

なので、特にどうしてもという理由が無い限り、防虫香を使用するのはお勧めいたしません!
桐箱ではなく、紙箱やその他の保管方法で掛軸を仕舞う場合は使用されてもいいかと思いますが、必ず高級品(出来れば100%自然由来成分と謳っている物)を使用する様にして下さい。

防虫香