日本画や掛け軸は芸術品としてもすばらしく、描かれた絵画や書からは賢人の訓示や戒めなども読み取る事ができます。
和のインテリアを飾るのなら、それらのメッセージ性も際立つような空間コーディネートがお勧めです。

伝統色を意識する

和の雰囲気が魅力の日本画や掛け軸は、日本古来の伝統色とよく合います。四季折々の移り変わりを楽しむ文化はその色にも表れており、草や木に見られるような爽やかなアースカラー、低明度で渋みのある小豆色などはその代表です。

また、漆や濡れ石を連想させるようなしっとりとした質感の黒色は和風空間で使うアクセントとしても効果的であり、引き締まった印象になります。優しい印象を取り入れるなら障子や白木の白っぽいナチュラルカラーを使い、落ち着いた印象を取り入れるならモダンなブラウン系のカラーを使うとよいでしょう。

遊び心を取り入れ、緋色や金色などをちりばめるのもおすすめです。沢山の色を使い統一感を出すのは難しいので、まずはベースになる色を決め、アクセントになる色を1・2色を取り入れるとすっきりまとまります。
どんな物を飾ればいいのか迷ったときには、飾る日本画や掛軸、額装、表具の色にも注目してみてください。

間接照明や部屋のラインを計算する

和の柔らかな雰囲気は間接照明と相性がよく、上手に使えば額装や日本画、掛け軸を際立たせる事ができます。
例えば天井からは和紙を使用したペンダントライトを吊り下げてみましょう。和紙から漏れる優しい光は、部屋全体をふんわりと包み込みます。

壁面収納の下にダウンライトを設置すると、間接的な光がぼんやりと足元を照らし、高級感を演出します。柔らかな光はメッセージ性の強い日本画や掛け軸に注目を集め、部屋全体の主役に引き立てます。日本画や掛け軸を目立たせるためには、その配置にも気を配りましょう。

床の間に飾るのなら、間を意識し上下左右に十分なスペースを取れるサイズを選びます。また、梁や柱のラインに合わせ、水平・垂直になるように設置すると統一感があり上品な雰囲気になります。
畳や柱、壁など様々な四角で構成されている和室には、規則性を持たせたレイアウトが最適です。